愛知3DAYSの最終日は、今池の「海月の詩(くらげのうた)」にて。パーカッション・エレクトロニクス奏者の依田拓(よだたくみ)さんをゲストに、一部は3通りの組み合わせのデュオ。二部はトリオで演奏する。
リロイさんとのデュオは3日目であったので、気持ち的にはリラックスでき演奏ができた。(ただしリラックスすることとイージーになることは違う、とわきまえている。)お互いの距離感が弾力的になる。至近距離での面と向かっての対話もするが、距離を置いてお互い独り言を言い合う場面もある。多少会話が途切れても、その間を埋めようとあわてて言葉を探さず、相手の次の言葉を待ったり、自分の言葉が浮かぶまで黙っていたりすることができる。そういう関係になれることはいいことだと思っている。それにしても、3日間リロイさんのギターはいろいろな引き出しを開けて、カラフルな情景を描いていたな。
依田さんとはもう4年ぐらい(インターバルは長いが)デュオをやってきているので、久しぶりの会話が弾んだような気がした。スピード感を持っての音の畳みかけ合いは、武道の組手のようで爽快感がある。リロイさんと依田さんのデュオは、エレクトロニクスの音のフラグメントを散りばめ合う演奏から、徐々に定型リズムパターンに乗っての躍動感ある展開に移り変わり、聴く者の気分が高揚した。
3人の鼎談は、まず誰かが話題を提供し、その話題で3人が語りつくすと、また違う誰かが「そろそろ別の話題にしませんか?」といって新しい話題を提供する。そして、またそれで語り合う、そういうことが繰り返し続いていく演奏だった。淀むことがなく、集中がおのずと持続した。
リロイさんとは今度は大阪で共演したいものである。