Review ALTO SUMMIT guest 小埜涼子

今年から始めた「なんや」のあるじPUYO(as)さんとの共同企画ALTO SUMMIT。毎回アルトサックス奏者を招いて、アルトサックスのみ3人で演奏する会。(前回はアカノシバヒトさんがゲスト)

PUYOさんは82年頃真野一彦(sax)さんが主宰した「人力音楽普及協会」のメンバーであった。自分もそれに関わっていたので、「なんや」のマスターというだけでなく、フリー系アルトサックス奏者としても長い付き合いである。小埜涼子さんは、まだ栄にKUKUがあった頃からなので90年代だったかと思うが、「学生実験室」の初期のころから注目していたアルトサックス・フルート奏者である。今や国外でも大人気で、たえずプログレッシブな音楽を切り拓いている。

最初の「とりあえず3人で」をやったのち、それぞれの組み合わせのデュオ3通り。最後に「宴もたけなわですが、そろそろ〆を」のトリオ、という構成のステージング。

「もうこれ以上のポテンシャルはアルトサックスには残っていないだろう」というような、多種多様な異端の奏法が繰り出され、しかもそれが高速度で展開していく。各セットの演奏時間は十数分と短めなれど、その中に圧縮された音塊は高濃度であった。意表を突く一撃をくらわせ合いながらの演奏がカデンツを迎え、一息つくとなぜかニヤニヤしてしまう。

ALTO SUMMIT Ono Ryoko