Review:柳川+Meg/川島誠/藤田亮@酒游舘

20180519酒游舘新譜ジャケMeg Mazakiとのデュオシリーズ「Hyper Fuetaico」や「Heal Roughly」は、何回か酒游舘でもやらせてもらった。最近になって演奏する意識と行為とがかなり一体化してきたように思う。心理的なゆとりからくるのだろうか、あるいは共演者へ信頼感からくるのだろうか、ときに「溜める」とか「じらす」とか「待つ」とかいった制御をしながら、互いの距離を自在に伸縮して音を重ね合えるようになってきた(かな?)。

川島誠さんのアルトサックスソロでまず感じたのは、音の重量感と強さが一層増したことだった。呼吸が深くなったのだろうか。激しく吹いてもヒステリックにならず、柔らかく温かささえ感じさせる。様々なサウンドシーンを繰り広げ、徐々に惹きこんでいく展開もよかった。情緒過剰でウエットになりすぎないほのかな香りを放つエレジーのようで魅力的だった。

藤田亮さんのドラムソロは、これまでリリースされた音源(CD)でもライブでも、その時その時で受ける印象が異なる。絶えず未知のものを探り出す研鑽をしているのだろう。この日も、こういう打楽器演奏はどこから来るのか?という出自不明な演奏で、異界に連れて行かれそうな気持で聴いていた。シャーマンのような集中力で紡ぎ出されるシンバルや太鼓の演奏は、精選され、凝縮され、それでいて熱量を放出し、冗長になることなく完結した。

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