Review:MRM trioとの京都・名古屋・岐阜

Maresuke (contrabass)さんの招へいによるイタリアのRoberto Ottaviano(ss)さん、Marcello Magliocchi(ds)さんのトリオ(MRM trio)の2週間にわたる日本ツアーの終盤、京都・名古屋・岐阜の演奏会に対バンとして同行した。

6月26日:Zac Baran (京都)伊藤誠(ts)+一談(ds)+柳川芳命(as)の初顔合わせトリオ

6月27日:なんや(名古屋)muk<Kei-K(as)+Take-Bow(g)+Meg(ds)>+柳川芳命(as)

6月29日:M’s Live Hall(岐阜)ysm<柳川芳命(as)+鷲見雅生(b)+木全摩子(ds)>

MRMの3人は、安定感ある熟練した技量と自由な精神を基盤に、多彩なカラーを描き出すインプロビゼーションを行った。演奏中の3人の関係に注目してみると、「守」「破」「離」の関係が変幻自在に展開していき、約30~40分間にわたる即興演奏中、終始聴衆を惹きつける魅力をもっていた。演奏者としてどんな心理状態で即興に臨むか、という観点でこの3人を見ると、そこには純粋で邪念がなく、ただひたすら美しい音楽、力強い音楽、優しい音楽・・・を求めている真摯な姿勢が伝わってきた。

それぞれの会場で、最後に対バンメンバーとの交流セッションをやってみて、改めてMRMの3人の受容的・協調的な面に触れることができた。他者の演奏を受け入れながらも、自分の味をブレンドして、即興演奏の展開にイニシアティブをとっていくのが見事だった。

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