Review:ysm@King Biscuit

2018年8月17日(金)ミレマの坂巻めぐみさんの企画 ”don’t rain on my parade”のvol.3 にysmとして出演。メインは東京のスズキジュンゾさんのソロ。ただし三木英男さん(元:震える舌)の急遽参加が決まって、当日はデュオで演奏。他にガイ+河合渉ギターデュオ、ミレマも出演。

久しぶりに地元岐阜King Biscuitにysmで出演できた。この日は、リハ無し、サウンドチェック、バランスチェック無し、演奏に関する打ち合わせ無し。持ち時間が30~40分であるということだけ理解だけして、インプロビゼーションを始める。

サウンドチェックすらしてないと、一音出して「あっ」と思うこともある。サックスはマイク無しのほうが良かったか? ベースの音が遠くてもやもやしてフレーズが聴き取りにくいな・・・とか。しかし、いったん始まったら後へは引けぬインプロビゼーションである。このままやり続けるしかない。

最近は演奏の出だしを、わりとそろそろ、じわじわと共演者の出方を伺いながらやることが多いが、ysmはもう2年以上続けているメンバーなので、多少乱暴に強めの吹き出しでやってもよかろうと吹き始めてみた。前置きなどせずに一気に本論に入ろうという魂胆であった。このように、メンバーそれぞれが今日はどんなことを演奏でやってみようか、という魂胆・目論見をもって音を出し始めるのだが、そういうことは各自心に秘めて、口外せずに演奏に臨む傾向にある。つまり『わたしは今日の演奏でこういうことをやってみます。みなさんいいですか?』というようなことは演奏前に会話しないのである。(別にしてもいいが、たいていは言ったようにならないことが多いので(笑)しない。)終わってから「実はわたし、こういう事を今日やりたかったのです」と言われて、ああそうだったのかとわかるのである。一切をその場、その瞬間にゆだねる即興演奏なのでそれでもよしとしている。お互いの魂胆・目論見を言葉の上で理解してなくとも、演奏中に音で示しあう。それが吉と出るか凶と出るかはやってみないとわからない。で、仮に凶と出てもその演奏は失敗ではなく、そういう演奏だったのだと認識する。実に楽天的と思われるかもしれないが、我々の日常生活はそういうふうに展開しているのが常ではないか? 即興は日常生活の一環として行われる、と個人的に思っている。

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