Review:森山威男ドラム道場公開セッション

2018年8月24日(金)岐阜県可児市 文化創造センター [アーラ](音楽ロフト)

この道場の門下生 木全摩子(ds)さんのお誘いで、今年の公開セッションで木全摩子さんとデュオで出演することになった。他に、同じく門下生の酒井美絵子(ds)さんには守谷美由貴(as)さん、師匠の森山威男さんにはませひろこ(ss)さんがそれぞれ共演し、サックス×ドラムスというデュオでの演奏が行われた。さらにこの日は、ませひろこさんのご主人の音川英二(ts)さんの特別出演もあった。ジャズのセオリーをマスターしたそうそうたるメンバーであった。

木全摩子さんとのデュオは、2016年からysm<柳川(as)+鷲見雅生(b)+木全摩子(ds)>での共演回数も多いので、「飯盒でご飯を炊くようにやりましょう」という打ち合わせと、与えられた時間内で演奏を収めましょう、という2点の打ち合わせだけで即興演奏を始める。その後、守谷さんと酒井さんのデュオ、森山威男さんとませさんのデュオ、森山さんと音川さんのデュオが続き、最後に全員参加でBlue Bossa(ジャズの世界では曲名を聞けばすぐに合わせられるほどのスタンダードらしい。わかってないのはわたしだけ。)を演奏。これはジャズの流儀に添った展開で進めるので、サックスのソロを順番に回し(各ソロが終わるとその都度お客さんから拍手が来るといういかにもジャズの世界、少々気恥ずかしい。)、クライマックスを演出し最後にテーマに戻るというスタイルで行う。お客さん(道場の生徒さんも多かったかな?)にもわかりやすいものだったと思う。

一方、それぞれのデュオはフリージャズ的な、あるいは我々のようにテーマもないフリーインプロビゼーションの演奏が主となった。そういった音楽に初めて接した方もいたようだが、その反響は決して否定的、拒絶的ではなかったと感じている。カタチを破って情念やパワーをむき出しにした表現からくる高揚感は、理屈を抜きに感銘を与えるものがあるのだと思う。それを杓子定規の音楽の理論とか約束事で「理解しよう」とするのが良くない。

さて、私が森山威男さんを最初に聴いたレコードは、二十歳ぐらいに買った山下洋輔トリオのCLAYだったと思う。その頃、ロックに魅力を感じなくなった自分は、ふとしたことでフリージャズに触れ、以後この表現スタイルに希望を感じた。初期の山下洋輔トリオはその中でも、その「わかりやすさ」から親しみを覚えたユニットだった。74歳になられた森山さんのドラミングには依然として重量感があり、うねるようなパルスが怒涛の如く繰り出された。そして、とても柔軟な体の使い方にも魅せられた。

「やっぱりこれだよなあ・・・」という妙な納得はどこからくるのだろう? 本能的な何かをわしづかみにされた感があった。

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