Review:宮本隆×Meg×柳川芳命@ゼロゲージ

2018年9月9日 大阪・桜川 Environment 0g  (zero-gauge)

対バン Trespass Trio(from北欧)

この3人の組み合わせは初めてである。シリーズHyper Fuetaico~Heal Roughlyで共演しているMeg Mazakiさんと宮本さんとは、さほど共演歴は無い。宮本さんと柳川は、7月にもここゼロゲージでデュオをやっており、かれこれもう5~6回は一緒にやっている。

宮本さんのベースには、「何となく低音域に自分が包み込まれているな」という感覚から、知らぬ間に「神輿を持ち上げられて、いい気分で演奏させてもらっている」という感覚にさせていく不思議なマジックがある。録音を聴き返してみると。演奏中には気づかなかったいろいろなアプローチで盛り立てられ、攻められていることに気づく。ベーシストらしさというのは、こういうところに現れるのかな?と思った。

Meg Mazakiさんのドラミングは、斎藤聡さんが評した「覚悟を決めたフリーフォールのごときドラミング」のとおり、全身全霊で音を体現していく。最近はその音の重量感が増し、改めてドラム演奏へのアプローチに覚悟をもって臨んでいるなと感じる。「原音楽」というべき念が聴き手を圧倒する。

約35分ほどの演奏の中に、ベースのソロ、サックスとドラムのデュオ、ベースとドラムのデュオなど、作為的でなく自然な成り行きで場面転換するインプロビゼーションだったので、3人でいろいろな音像を描き出せたと思う。さして細かい打ち合わせがなくとも、こういう展開が即興で組み立てられるのは、音によるコミュニケーションができるってことかなあ。

ゼロゲージ宮本トリオ