2018年10月20日(土)jazz GHOST V(岐阜)
天元(てんげん)<渡辺敦ts 柳川芳命as 木全摩子ds>
このメンバーで天元と名乗っての初めてのライブである。昨年12月末、GHOST Vの忘年会セッションで、ジャズ系のプレーヤーやシンガーたちに交じって、即興系のysm(柳川+鷲見+摩子)が参加し、交流を始めた中に渡辺敦さんがいた。もともと山下洋輔トリオの演奏などに興味を持っておられたとのことから、フリーなサックス演奏にも挑もうと、夏ごろから柳川とふたりでカラオケルームを使って即興セッションをから始めた。
同時期に木全摩子さんから、11月に大垣の昭和音楽村で開催されるジャズフェスに出てみませんか?という話がきたので、では渡辺さんも誘ってトリオで出てはどうか?という話になった。渡辺さんもそれに快諾され、彼の命名で<天元>という名でこのフェスティバルに参加する運びとなった。そして、フェスのある11月までに一度GHOST Vでやってみようということでこの日のライブが実現したのである。
テナーサックス、アルトサックス、ドラムスという和音楽器のないトリオ(いわゆる笛太鼓編成)は、音楽的約束事の拘束が少なく自由度が高いと改めて感じた。サックス2本、親和性が高い楽器同士なので音の抱擁状態になることができる。それが息苦しく感じれば、対照的な吹き方をして立体感を生むこともできる。ドラムはその背景となることもあれば、2管をリードすることもできる。
やはり笛太鼓編成はプリミティブな感じがする。そこに限界を感じることも今後あるかもしれない。天元は「即興音楽旅団」である。旅は始まったばかりである。固定メンバーのユニットという発想から、柔軟な編成の即興集団という発想へと広がっていくことがあってもいいと思う。