2018年11月4日(日)なんや(名古屋・御器所)
柳川芳命/as、 Meg Mazaki /ds、 Puyo /as
Meg Mazakiさんとシリーズで行っている「Heal Roughly(ヒールラフリー)」に、なんやの店主でアルトサックス奏者のPuyoさんを交えたセッション。これまでplusで入ってもらった方は、弦楽器奏者が多かったが、今回初めて同業者のサックス、しかも私と同じアルトサックス奏者が加わり、2管1打のトリオでやってみた。
1 柳川+Meg 2 Puyo+Meg 3 Puyo+柳川+Meg というステージング。
Megさんは基本的に、共演者の呼吸や間合い、情緒的なうねりと、自分のドラミングを同期させるスタンスでインプロビゼーションに臨む(と勝手に解釈している)。Puyoさんとのデュオもそのあたりをうまくつかんで、収束度、凝集度の高い音作りとなってエキサイティングだった。3人での演奏では、同じアルトサックスどうしであることや、アルトサミットのシリーズでの共演も重ねているためか、どうしてもPuyoさんと自分とのダイアローグが先行されてしまう。Megさんがドラムで何をやっているのかほとんど意識しなくなる瞬間もあったが、ふと気が付き、自分がPuyoさんとMegさんの対話の聞き役になってみたり、Puyoさんを脇に置いておいてドラムとの交感に専念したり・・・。と、このあたりの身の振り方はトリオインプロヴィゼーションの醍醐味である。Puyoさんの音は中音域が太く、明るく硬質ないい音色だった。
終わってから、奏者相互の演奏中のアイコンタクトについての話題になったが、個人的にはアイコンタクトはしたことがない。アイコンタクトで意思を通わせるより、音で意思を通わせるほうが、よけいな配慮、忖度などをしなくて済むからである。アイコンタクトはかえって誤解を生み、自分の演奏にブレーキがかかりそうだ。なので、終わるときも、ここで演奏を終えるといいな、という奏者間のコンセンサスが音で成立したときに、即興演奏はめでたく終わる、ということですな。