Review:波多江崇行+pd/ysm@Take-Zero

2018年11月6日(火)jazz Take-Zero(三重県四日市市)

波多江崇行/g   pd<大森菜々/p  酒井美絵子/ds>     ysm<柳川芳命/as 鷲見雅生/b 木全摩子/ds>

昨年、波多江さんが名古屋のバレンタインドライブで、大森菜々さんや木全摩子さんと共演したことがきっかけで、後にpdのお二人が九州ツアーで波多江さんと共演することになり、今度は波多江さんが名古屋周辺に来られてツアーすることになった。その初日、四日市のテイクゼロで、pdとysmがそれぞれ波多江さんと共演した。

ysmは8月以来の演奏である。バンドを始めてから初めての比較的長い休業期間を経た久しぶりの演奏であった。まずはysmの3人で演奏を始め、10分ほどして波多江さんが加わりカルテットになる。ysmとしての出来栄えもこの夜は良かったし、波多江さんの参加はまさに火に油を注ぐようなエキサイティングなものとなった。瞬時にysmに溶け込んだギターサウンドは、ysmの3人のそれぞれの音の真ん中に鎮座し、擦り寄り、衝突し、絡み合い、約25分に亘ってバトルを繰り広げた。初対面であっても一緒になって即興で音楽を創り上げていけるのは、やはり各人の根底に流れる共通の語彙、話法を探り合ってコミュニケーションできる感性と技量があるからなのだろう。即興のオモシロサはそのことから生じる共感とか一体感にあると思っている。

pd+波多江さんの演奏については、評論家の立場ではないので解説したりコメントしたりすることは避けるが、3人とも以心伝心でたくみに演奏の駆け引きができるプレーヤーなので、今後のツアーを通して演奏が「守」「破」「離」へと進化していくのだろうな。おそらく毎夜違った局面を見せてくれることと思う。なので、一度だけでなく毎夜追っかけて聴かれることをお勧めしたい。

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