2018年11月25日(日) サケデリックスペース酒游舘(滋賀・近江八幡)
出演:Guitar マツダカズヒコ(名古屋) Take-Bow(京都)
Bass 宮本隆(大阪) Sax 柳川芳命(名古屋・岐阜)
Drums Meg Mazaki(京都・滋賀) Performance 後藤宏光(名古屋)
「AA」とはAlbert Aylerの頭文字で、1970年11月25日にニューヨークのイーストリバーで彼の死体が発見されたらしい。「Spiritual Unity」を聴いたときは、当時自分が持っていたフリージャズのLPの中で一番衝撃的だった。しかし、その後はほとんど聴かなくなった。凄すぎるがゆえに聴くことを敬遠してしまう傾向が自分にはあるようだ。
たまたまこの演奏会の日が11月25日に決まったので、ああ、アイラーの死体が見つかった日だな、ということからこのような意味ありげなタイトルを付けたのだが、さほどアイラーに思い入れがあって付けたわけではないし、それに絡んだ演奏をしたわけではない。(同日に自決した三島由紀夫にちなんで「YMの遺産」でも別に良かったが、まだアイラーのほうが我々のやっていることとの距離は近い。そういえば以前、酒游舘で梶井基次郎の命日に演奏することになったユニットには「檸檬のテロル」と名付けた。)
今回は、西方の大阪・京都と自分の地元でもある名古屋勢のインプロバイザーのエンカウンターというかたちで行った。「一度、酒游舘でやってみたい。」というパフォーマーが周辺には何人かいるので、機会を見ては声をかけて誘ってみたいと思っている。また、個人的には酒游舘で録音した音源のリリースが近年多く、Meg-柳川デュオでの「Hyper Fuetaico」と「Heal Roughly Alive」、藤田亮+柳川デュオの「無頼派二重奏」の計3枚を、この1、2年でリリースした。それほどに音響が素晴らしい。今回も「檸檬のテロル」のときに入ってもらった後藤宏光さんにパフォーマンスで加わってもらったが、スペース的にもダンサーや舞踏、身体パフォーマンスの人にとっては、やってみたい場所だと思う。
この日の内容としては、前半のステージで、①マツダカズヒコ+Meg Mazaki+柳川芳命 ②宮本隆+Take-Bow+柳川芳命 ③マツダカズヒコ+Take-Bow+後藤宏光 ④宮本隆+Meg Mazaki というデュオまたはトリオの短めのインプロビゼーションを4つ行い、後半は全員(音5人、身体1人)で35分程の集団即興を行った。ふつう音だけで5人もいる集団即興は、約束事でも作って臨まないと収拾がつかなくなることが多いので敬遠するのだが、このメンバーなら皆耳がいいし、全体の流れに敏感で、押しと引きの制御もできるので思い切ってやってみた。さほど、音のカオスになることもなく適当なスキマも余白もあって良かったと思う。皆楽器を演奏をしながら、(あらかじめ何をやるかわかっていない)後藤氏のパフォーマンスに見とれながらやっていたようだ。どういうパフォーマンスだったかは、写真で見ていただくのが言葉の説明より良いでしょう。最後にはやはり脱ぎました。(写真:西村さん、かおりんさん)