2019年1月13日(日) サケデリックスペース酒游舘(近江八幡市・滋賀)
第一部
Meresuke(bass) 照内央晴(p) 橋本英樹(tp) 松原臨(ss) Meg Mazaki(ds) 柳川芳命(as)
第二部 セッションメンバー
土井朋子(vo) 倉谷桃子(vo) 小松バラバラ(vo) 井上和徳(ts) ワダカズキ(p) 新井田文悟(el-b) 戸谷肇(el-b) 小谷ちず子(dance) 山田いずみ(dance) Kato David Hopkins(story-telling)
新年の酒游舘での演奏会は、第1部に東京・大阪の即興シーンで活躍している人たちを招いたセッション、第2部は自由参加型の即興セッション、という2部構成で開催した。第2部では、香川、大阪、奈良、名古屋、地元の滋賀、と、幅広いエリアからの参加があって盛大なジャムセッションとなった。
第1部は、6人の中から3人選んでのトリオを4パターン行う。熟練した奏者が集まっているだけあって、合奏の全体像を把握しながらも自己を埋没させず開示していくような即興演奏で、共生的エゴイズムのアンサンブルという感じを受けた。
第2部は、[第1部のメンバー+参加者]の中から、くじによるランダムな抽出で演奏者4人を選び、それに二人のダンサーが神出鬼没に登場するという形態で6セットの集団即興を行った。
自分がサックスで即興演奏を始めて間もない20代の頃、デレク・ベイリーのインプロヴィゼーション・ワークショップに参加したときには、相手がデレク・ベイリーということもあって、何か爪痕を残してやろうというような野心的・挑戦的で道場破りみたいな態度で臨んだ。その結果は後味悪いものになった。この日に集まった参加者は、献身的なあるいは協調的な姿勢で臨まれたという印象を受けた。「食うか食われるか」というような姿勢で臨むジャム・セッションというのは、最近はあまり見なくなった気がする。そういう傾向の移り変わりが良いか悪いかというのはわからない。単に集まった人たちの性格的な傾向によるものなのかもしれない。セッションに加わって表現するときは、その人の日常生活における他者とのかかわり方がそのまま出るように思う。何をやっても許される即興表現であればなおさらだろう。だからこそ「自由即興」というのは面白い。