Review:鈴木泰徳&柳川芳命、UFO&MAYU “African Night” 合同演奏会@海月の詩

2019年2月16日(土)海月の詩(名古屋 今池)

出演:鈴木泰徳(ds)+柳川芳命(as)  、野口UFO義徳(perc.vo)+Mayu(perc.vo)

2017年12月に、大阪中崎町の「創徳庵」(すでに閉店)で、鈴木さんと初対面で共演する機会を得た。シンガポール在住の関根綾(p)さん、藤村竜也(b)さん、鈴木泰徳(ds)さん、柳川というカルテットである。それがきっかけで、2018年2月と7月に大阪十三の「十三ベース」で、鈴木さんからデュオで誘っていただいた。今回は鈴木さんを名古屋の方々に紹介したい気持で、演奏会を考えた。この提案を鈴木さんにしたのが確か秋ごろだった。鈴木さんは、2月にならないとスケジュールが空かない、という売れっ子ドラマ―で、ようやく「海月の詩」を確保した日が、UFOさんMAYUさんの月例企画「アフリカンナイト」と被っていた。そこで、UFOさんに、合同でできないかという提案をしたところ快諾してもらえ、この日の企画が成立した。結果として、UFOさんやMAYUさんと鈴木さんとのコーディネイトできてよかったと思っている。はやり打楽器奏者同士の興味・関心の深さは、他の楽器奏者には計り知れないものがある。

鈴木さんのドラムは、まさに大器というか大樹というか、どっしりと構えゆるぎない。共演者の全てを受け止めて共演者を押し上げていくような演奏だ。決して前に出て自我を爆発させ、共演者と対峙するというのでははなくて、歩調をそろえながら徐々に相手のぺースに火をつけていくような感じを受けた。鈴木さんが、様々なジャンルのバンドからドラマーとして引っ張りだこの存在であるのは、そういったアプローチでフロント奏者を押し上げてく術が心憎いからではないだろうか。この日のデュオもその術にのってしまい、デュオでは最長記録の41分の演奏時間になった。吹奏をやめたくなくなるのである。お客さんにはちょっと長かったかなと思うが・・・。

そのあと、UFOさん、MAYUさん、鈴木さん、柳川とで交流セッションを行った。打楽器3人にワンホーンというのは、ホーン奏者にはある意味至福の編成である。アーチ―シェップのMagic of JUJUを想起して、調子に乗って吹いていたが、これはきりがないと思い引っ込んだ。そのあとの、UFOさん、MAYUさん、鈴木さんのパルス、ビートの饗宴は、もはや悦楽の境地で聴かせてもらった。ここでの鈴木さんのドラムは真骨頂発揮という感じだった。

鈴木さんのドラムを聴きたがっている人は、名古屋界隈には大勢いると思うので、またこのような機会をつくっていきたい。鈴木さんにはまた今池のカプセルホテルを堪能していただきたいと願う次第である。

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