Review:SHANTI DRAGON3+Heal Roughly

2019年3月16日(土) 横浜JAZZ FIRST

SHANTI DRAGON 3 <金剛督(sax)  林あけみ(pf) 小泉ちづこ(バリ舞踏)>

Heal Roughly<柳川芳命(sax)+Meg MAZAKI(ds)>

※都合によりMeg MAZAKI不参加

昨年、酒游舘で開催されたSHANTI DRAGONのライブの際に、対バンのメンバーだったMegさんが、金剛さん・林さん・小泉さんたちと懇意になったことがきっかけで、今回の横浜でのライブが決まった。金剛さんが横浜の老舗ジャズライブハウス(創立51周年になるらしい)を押さえてくださった。Heal Roughlyとしても初めての横浜ライブだけに期待感が大きかったが、残念ながら直前になりMegさんが腰痛治療のため不参加となった。Megさんの演奏を期待していた関東のお客さんもがっかりした模様。全身を使って演奏するドラマ―であるがゆえに、椎間板ヘルニアではとうていまともに演奏はできまい。本人にとって無念だったと思うが、またの機会を作ることにして今回はドクターストップ。養生に専念してもらうことにした。

自分にはめずらしく長めの自己紹介とMegさんの欠席報告をして、ソロで20分演奏。(自慢ではないが、私は予定時間にほぼ正確に演奏を終えることができる)途中、小泉ちづこさんの舞と声が絡み、初対面~初共演ながらなかなか波長の合ったデュオが出来た。鮮やかなバリ舞踏と、陰鬱なサックス演奏とが化合して、面白い風味が出たのではないかな?

そのあと、SHANTI DRAGON 3の演奏。金剛さんのソプラノサックスの音が、林さんのピアノの大海原の上を、しなやかで奔放な軌跡を描きながら飛翔している光景が浮かんだ。

休憩の後、小泉さんのバースデイ記念のソロ。8分程の無音の中で、指先からつま先までのやわらかな動きに視覚が釘付けになる。最後に全員での交流セッション。金剛さんのテナーと私のアルトとのデュオから始める。二人のサックスの音の距離感がいい。あからさまに音を重ね合うでもなく、対峙するでもなく、互いの自由な発想を認め合いながら対置し、時空を共有できた気がする。そこに林さんのピアノが入って色彩が一層豊かになり、抒情的な感性にアルトはすぐに飛びついてしまう。少し違う次元でテナーがフリーキーに咆哮する場面では、同じ血が流れているのではないかと思うほど意気投合できている実感があった。それにしても、金剛さんは後半になるにつけボルテージが高まり、同時に「殺し文句」ならぬ「殺しフレーズ」がほとばしり出る。すばらしい奏者だな。

とても充実感ある演奏会であったがゆえに、Megさんの不在が惜しまれる。必ずやリベンジセッションがいつか企画されると思うので、その時を楽しみに待つことにしよう。

「四谷怪談」と「Heal Roughly」の1stアルバム、多くの方に買っていただき、ありがとうございました。

 

 

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