森順治さんの「春の岐阜・名古屋3Nights」の企画に、雨宮拓さんの急遽合流が決まる。お二人はご存知M☆A☆S☆Hのメンバーとして、東京界隈で活躍中である。めったに中部圏に来てライブをすることがなかったので、今回の岐阜と名古屋での3回のライブは、地元の演奏者たちとの貴重な出会いになった。3日間を通して共演できた地元の演者やリスナー、ライブハウスは限られていたが、これを契機に交流が広がることを願っている。次回はドラムの大沼志朗さんも一緒にM☆A☆S☆Hでの演奏をこちらで披露してほしいものである。
■2019年4月12日(金)jazz GHOST V(岐阜市長住町)
1 丸市+新井田文悟+柳川芳命
2 森順治+雨宮拓+新井田文悟
3 雨宮拓+柳川芳命+丸市
4 森順治+新井田文悟+丸市
5 森順治+雨宮拓+柳川芳命
6 森順治+雨宮拓+柳川芳命+新井田文悟+丸市
3日間のライブのうち、唯一ドラマ―入りの編成。ドライブ感、疾走感のある演奏になって、やっていてフリージャズの醍醐味が存分に味わえた。初共演にもかかわらず丸市さんもメンバー相互との以心伝心が見事で、演奏のヒートアップの核となっていた。
■2019年4月13日(土) なんや(名古屋御器所)
1 雨宮拓+森順治+臼井康浩
2 森順治+PUYO+柳川芳命(アルトサミット)
3 雨宮拓+臼井康浩+柳川芳命
4 森順治+雨宮拓+PUYO
5 森順治+雨宮拓+PUYO+臼井康浩+柳川芳命
なんやの店主PUYOさんと続けているアルトサックスのみでトリオで演奏する「アルトサミット」を兼ねたセッション。3人のアルトによる咆哮、ぼやき、唄い合い・・・は、あたかも「万華鏡を覗いているようだ」とはG子さんの感想。PUYOさんは、もうただの居酒屋の店主ではない熟練サックス吹きである。この日、雨宮さんは持参の電子ピアノでの演奏。ピアノと違った様々な音色にイマジネーションが広がる。とても清廉な音色にファンタジーの世界に引き込まれたときがあった。百戦錬磨の臼井さんは、ときに助演、ときに主演となって絶妙な喰いこみ方をしていた。エフェクターに依存しないで、エレクトリックギターそのものから様々な音を引き出す奏法がミラクルである。
■2019年4月14日(日)海月の詩(名古屋今池)
1 Take-Bow+柳川芳命
2 森順治+雨宮拓
3 森順治+雨宮拓+Take-Bow+柳川芳命
セッション参加者やリスナーも多く集まり、最終日はにぎやかなライブとなる。久々に共演するTake-Bowさんとはじっくりと向き合いながら一緒に疾走できた。終わった後すがすがしかったな。森さんと雨宮さんの演奏に、「お二人のお名前は知っているけれど生で接するのは初めてだ」という名古屋の即興ファンに、デュオでしっかりと聴いていただけて良かった。終わった後の大きな拍手・歓声は、その練り上げられたコンビネーションの凄さを表していた。
●ジャムセッションⅠ ホスト:雨宮拓、柳川芳命
Kani Kiyoshi 新井田文悟
●ジャムセッションⅡ ホスト:森順治、Take-Bow
アカノシバヒト 小林雅典 新井田文悟
番外セッションには観音玉藤井 タナカえん 後藤宏光 はじめ、ほぼ全員で
〆は、雨宮拓ピアノソロ
アフターセッションには初日で共演した新井田さん、はるばる三重からアカノさん、小林さんも来てくれてしっかりと爪痕を残してくれた。セッションを重ねるにつれ末恐ろしいアルト奏者になるKaniさん。終演後駆けつけて咆哮してくれた藤井さん。海月の詩では欠かせない身体パフォーマーの後藤さん、えんさん。参加ありがとうございました。
さて、この日のラインナップで重要な存在となるはずであったMeg Mazakiさんは、残念ながら今回も椎間板ヘルニアの完治間に合わず参加できなかった。彼女の不在はとても残念だったので復帰後にまた一緒にやりたいものである。上の写真の右下はMegさんの完治を願っての心温まる激励の色紙である。