Review:即興の森 Survival@伊丹ALWAYS

2019年5月19日(日)ALWAYS(伊丹)

ここ数年、大阪で共演させてもらっているドラマー鈴木泰徳さんが主宰した「くじ引きによるデュオ完全即興(制限時間30分)」。今回が初めての企画である。個人的には自分以外の出演者17人のうち、共演経験のあるのは鈴木さんと登敬三さんだけ。共演はしていないが演奏を聴かせてもらったのは服部則仁さんのみである。あとのミュージシャンは初対面。どうせなら初めて会う人とのペアでデュオをやりたいと思っていた。

くじ引きの結果と演奏順は以下の通り。

①Isa Jamming(vo)古谷光広(sax)

②小場真由美(pf)里村稔(sax)

③荒田健司(pf)服部則仁(sax)

④小柳淳子(vo)鈴木泰徳(dr)

⑤山本久生(b)佐々木善暁(b)

⑥阪井楊子(vo)中村真(pf)

⑦山嶋真由美(vo)柳川芳命(sax)

⑧宮藤晃妃(vo)高田亮介(g)

⑨村山義光(g)登敬三(sax)

デュオのパートナーになった山嶋真由美さんが、この店に入って最初に会話した人だったのも何かの縁。それに彼女は、この3月に岐阜のパノニカであかぎしほさん(p)とやった短いデュオのYou Tube動画を事前に観てくれたという。自分に関心をもっていてくれたことには感激である。

日頃どんな演奏をされているのか未知の状況でのいきなりのデュオなので、どんなふうにでも展開できるように、最初は出方をうかがいながら少しずつ音を重ねる。サックスが動きボーカルが留まり背景に回る。ボーカルが動きサックスが留まって背景に回る。ボーカルもサックスも動いて絡む。ボーカルもサックスも停滞し静寂に溶け込む。いろいろな風景が移り変わっていく中、エモーションのうねりに共鳴しながらの約22分。スリルがあって面白い初共演になった。引き出しの中の物を全部さらえて出し尽くし、最後はお互いのロングトーンで終了。いろいろ得たものがたくさんあったデュオになった。

我々以外の8組のデュオ、即興に対するスタンスはさまざまで、その多様さは今までの自分の即興の概念を広げてくれたような気がした。

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