Review:Heal Roughly+中島直樹@なんや

2019年6月8日(土)なんや(名古屋御器所)

中島直樹(contrabass)     Meg Mazaki(ds)     柳川芳命(as)

椎間板ヘルニアの療養から復帰したMegさんは、スタンディングによるドラミングで名古屋に再来。今回は大阪のコントラバス奏者中島直樹さんを迎えてのトリオである。中島さんとは、もうずいぶん長い付き合いになる。2008年の5月信州国際音楽村での日本天狗党の合宿セッションで会ったのが最初だと思う。この当時は大阪で活動していた山澤輝人(ts・fl)さんの相方として共演しているということで、合宿セッションにも初めて参加したと記憶している。以後、大阪のワイルドバンチに呼んでもらったり千種カルヴァドスでの『地と図』のシリーズで名古屋に来てもらったりして共演を重ねてきた。今回の中島+Meg+柳川のラインナップは、昨年10月に日本天狗党関西ツアーのときに大阪のシェ・ドゥーブルですでにやっており、今回は2回目。

中島さんは、繊細な微音から豪快なボウイングやピチカートによる力強い音まで、幅広い語法で語りかけてくる。共演者の音に対し微妙な立ち位置から急所を突いてくる。反応もとても敏感である。Megさんは今回、バスドラム、ハイハットのペダルを踏んでの演奏は制限されたドラミングだったが、自分の独自性を十分出すだけでなく、押しと引きのコントラストが以前にも増して鮮明な演奏を展開していてよかったのではないかと思った。

<なんやの店主ぷよさんの感想>******************

Megさん、腰痛からの復帰第2戦(名古屋では初)とあって、丸市さん、木全さん、酒井さん、ドラマー仲間が駆けつける。Megさん、座るのはまだ苦しいので、立っての演奏。ここで、といった肝での叩き方は、Megさんらしさが良く出ていて良かったし、安心した。カエルのポーズも健在。じゅうぶん、それ以上に機能していた。叩く、引く、の感覚は前より研ぎ澄まされた感じがする。中島さんも柳川さんも、そうした感覚には長けていて、演奏の絡み合いがおもしろいライブだった。小さな音の時でも激しさを感じる二人だった。

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この日、木全摩子さん、九市さん、酒井美絵子さん、廣中さんといったそうそうたるドラマ―も来てくれたり、以前カルヴァドスで印象的なベースデュオをやった一ノ瀬大悟さんも来てくれたりして、中島さんを名古屋界隈の先鋭ミュージシャンにお披露目できて良かった。

次回、このトリオは10月25日(金)「海月の詩」での日本天狗党ライブの対バンとしてやる予定。どうかお楽しみに。

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