2019年8月23日(金)JK Cafe (大阪府高槻市)
・鈴木泰徳(ds) 柳川芳命(as)
鈴木さんとの共演歴を辿ると、2017年12月大阪の創徳庵で初対面・初共演、2018年2月大阪の十三Baseで初デュオ、2018年7月十三Baseで2回目のデュオ、2019年2月名古屋の海月の詩でデュオ、2019年5月高槻JK Rushで登敬三さんを交えたトリオ、そして、今回のJK Cafeでのデュオという流れになる。
これだけの回数を重ねてきて思うのは、互いの音への反応というか、共鳴の仕方がいささか変容してきたということである。以下書くことは全て自分が一方的に感じていることなので、鈴木さんの印象とは異なるかもしれない。
初めの頃は、とにかく意識的なほど相手の音を聴きながら、話題がそれないように会話していたという感じである。賛同するか反駁するかは別として、向かい合っての対談だったような気がする。それが共演を重ねて、この日JK Cafeでのデュオでは、会話をしてはいるが、途中で、『ちょっと今、俺はこの話が面白いから勝手に喋らせてくれ。君はその間、好きなように喋っていればいいよ。』というような、自由度というか、<やりたい放題やらせてくれコーナー>みたいなのが演奏の途中であったような気がする。そして、そうこうしているうち、『あ、その話題面白そう。俺にも意見言わせてくれ』と再び合流して対話に戻る。
というような関係性の幅ができて、そのために演奏が開かれた感じになったかなと思う。相手の出す音を全て受け止め、返していくというのも良いが、ときには相手の好きにさせ、自分も好きにやる、こういう関わり方もあっていいし、どちらかというと、そういうほうが自然だと思う。即興演奏では、筋書きやせりふが決まってない全くの自発的な芝居のようなものなので、できるだけその瞬間、瞬間の自分に率直に、自然な行為の延長として演奏したいと思う。なので、忖度してばっかりとか、あいづちを打ってばっかりの会話は、どこかウソをついているような気がする。ただ、(ここからはその人の性格や考え方の問題かもしれないが)できれば、創造的な会話になるようにしたい。口論ばっかりで平行線に終始する会話というのも(ときには面白いかもしれないが)いかがなものか・・・。喧嘩するとか無視するために共演するような無益なことだったら、はじめから共演を断ればいい。年齢のこともあって、自分の演奏は丸くなったと思う。ただし高齢が進むにつれて怒りっぽく我儘になる老人もいるので気を付けよう。
そういうわけで、鈴木さんとのデュオはこれからもっと面白い局面に入っていくだろう。ときには聴いている人が、『今日の二人は全然かみ合ってないなあ・・・』と思うぐらい好き勝手にやっても、実は深いところで共鳴し合っている、そういうデュオでありたいと思う。