Review:鷲見雅生+坂田こうじ+小林雅典+柳川芳命@GHOST V

2019年10月4日(土) 岐阜 長住町 jazz GHOST V

・鷲見雅生(b)   坂田こうじ(ds)   小林雅典(g)   柳川芳命(as)

鷲見さん主宰のセット。以前、坂田+鷲見+柳川のトリオをここGHOST Vでやって、その延長線上の企画で、前回のトリオのメンバーに四日市のギタリストの小林雅典さんを加えた編成。楽器編成としてはサックス、ギター、ベース、ドラムスということで、集団即興であってもバンド的なアンサンブルになる。

鷲見さんも坂田さんも小林さんも、演奏へののめり込みがディープで(勿論冷静さもある)、演奏中、シフトダウンからアクセルの踏み込みで一気に加速できる用意がいつもできている。どのあたりで、アクセルを踏み込むか、その駆け引きが面白かった。

1セット目 ベースソロ→+ギターのデュオ→+ドラムのトリオ→+サックスでカルテット

2セット目 サックスソロ→+ドラムスのデュオ→+ギターのトリオ→+ベースでカルテット

という構成で行う。いわば「おおきなかぶ」のお話のように、一人ずつ加わっていくやり方である。その間は4人の中でいろいろな組み合わせができ、それぞれの奏者の持ち味を出せてよかった。後半のカルテットになると、イントロから演奏している奏者は適度に疲弊しヒートダウンする一方、最後に加わった奏者は元気いっぱいで登場する。それぞれアクセルを踏み込むタイミングに時間差ができ、4人各自の熱量放出の「波」がずれるところが結果として面白かった。1セット目30分、2セット目40分。各1曲のステージングだったが、長さを感じない変化が生まれていたと思う。

久しぶりにやるカルテットの即興演奏(普段はデュオやトリオが多い)だったが、自分以外の音がよく把握できたし、演奏中、他の3人の誰の音に絡むか?が自由気ままに選択できる面白さもあった。

鷲見さんの毒々しいまでの重低音のうねり、小林さんの容赦なく時空を切り裂くカッティング、坂田さんの一瞬でヒートアップに導く鋭敏な音の立ち上がり。いいメンバーの組み合わせだったんじゃないかなと思う。

写真はオーナーの黒田さん。いつもありがとうございます。

プレゼンテーション1