Review:Spin-Off but On@K.D.Japon

2019年11月25日(月)名古屋・鶴舞 K.D.ハポン

BaBaQue mode (ホソイヒサト・アリスセイラー)

Heteroduplex (五十嵐義秀 × NascaCar中屋浩市)

dislocation (岡崎豊廣・ガイ・森公保・柳川芳命)

どういう企画だったのかは、フライヤーの右半分の口上の通りで、3つのユニットが出演した。このうち、アリスセイラーさんとはナカツカカナコという名前で「アマリリス」で活動していた頃に一度共演している。忘れもしない1984年1月29日、場所は京大西部講堂だった。<POOL1>という石橋正二郎さんの企画だったと思う。(違っているかもしれない。岡崎さんが詳しい。)いくつかバンドが出た中で、岡崎、柳川、服部一郎、ナカツカカナコの4人で、<Pulsschlag>というシリーズ(メンバーは岡崎さん以外は可変)で出演した。そのVHSのテープは今でも残っているはずである。ナカツカさんは鼻歌を歌いながら何か棒を振り回しながら電子音を出すパフォーマンスだった。それに岡崎さんはエレクトロニクス、柳川はサックスとチャルメラ、服部一郎くんはドラムスをメインにベース音のリフを流しながら演奏していた。(彼のバンド「リメディ・コントロール」のその後はどうなったのだろう?35年も前の話だ。)

終演後、雪の降る中、京都から車で名古屋のほうに帰った。雪がひどくなったので運転していた服部君が「チェーンを着ける」と言い出し、真冬の真夜中に道路わきで雪に降られながらチェーンを着けた。ほとんど朝方に帰宅したとき、同居していた祖母の弟さんが老衰で亡くなっていて、翌日はあわただしい日になった。

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音も残っている。

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アリスセイラーさんとはその後ずっと疎遠だったが、このような形で再会できたのが嬉しい。トップにディスロケーションが35分ほど演奏。いつものディスロケーションである。たまにしかやらないので、前回の演奏の印象が消え去った頃にやるためか、毎回自然体で臨める。途中で森さんがリズムパターンを出してきたのは今まであまりなかった気がするが・・・。とにかく「今までの演奏」という記憶が薄れているのは、即興演奏にとってはいいことかもしれない。前の演奏の記憶が鮮明に残っていると、それとは違うことをやろうという意識が邪念になることがある。

この後に出たBaBaQueは、不思議な新鮮さのあるバンドサウンドだった。今まで見たことないようなアニメーションの映像も魅力的で、摩訶不思議な電子音響(ベース)や歌、サックス、朗読などが奇妙に絡んで面白かった。これはホソイさんワールドなのかな?(チルドレンクーデターでの活動もお馴染みの方)

最後に出たHeteroduplexのお二人は、この日初めての組み合わせだったそうだ。ノイズミュージック(という呼び方が妥当かどうかわからないが)の音が非常に洗練されていて透明感ある音質で、中屋さんのテルミンともどもクリアーに耳に入ってくる心地よさがあった。

20191125アリスセイラー企画@ハポン