Review:四日市Take Zero年末セッション

2019年12月29日(日)The 14th annual event of Homei YANAGAWA

★ゲストに組原正Guitarを迎えて・・恍惚のサイバーパンキッシュ💋あんぐり❗
「AI搭載ラブドールは容赦なく棄てた男の夢を果てしなく見るのか❓

・組原正(g) +柳川芳命(as) +鷲見雅生(b) +Meg Mazaki(ds)

・長坂均(tp) 小林雅典(g) 美乱調Yachiriz(as/ i-phone) Akie Ooba(拡声器)   後藤博(voice.g) 小松バラバラ(咆哮) 赤井香本(pf/ds)   伊藤典夫テイクゼロ・マスター(ds)

※イベントタイトルとキャッチコピーは、記念のためそのまま掲載。

もう14年目になる年末恒例の四日市セッション(俗名:フリージャズ忘年会)。14年前には、旧店舗の「フルハウス」(JR四日市駅ロータリー付近)で、自分一人の出演(ソロ)だった。その後「フルハウス」が移転し、出演者は次々と繁殖。そして2015年末で「フルハウス」が惜しまれつつ閉店。2016年からは「テイクゼロ」に会場を移して、今年で4年目になる。

出演者が認識しているかどうかはともかく、一応柳川が主役のイベントなのであるが、この14年間に常連化した出演者もいる。企画の渚ヒトミの案で、その年その年の出演者やグループ等が大雑把に決まるのだが、今年は悲願のグンジョーガクレヨンのギタリスト組原正さんを招くことができた。組原さんを中部・関西に呼びたいという思いはかねてからあったのだが、組原さんは愛猫の介護のため、簡単には東京を離れられぬ身であられた。しかしながら、長い薬石の甲斐もなく、お猫様がご逝去されたため、組原さんも遠出ができる身になられた。そこをすかさず何の縁も無かった渚ヒトミが果敢に直接出演交渉した結果、ご快諾いただけたという次第である。

組原さんとは、2016年10月(我、還暦直前)にピアノの新井陽子さんの企画で、組原正(g)+直江実樹(radio)+新井陽子(p)+柳川(as)+大庭彰恵(live drawing)というセッションをやったときが初対面・初共演だった。場所は「なってるハウス」。直江さんとはこのときを機に、名古屋にときどき来てもらって共演する機会を得たのだが、組原さんとはずっと共演できずにいた。「悲願の・・・」と言ったのは、そういう事情だったからである。

さて、当日は、

Session 1

・小林雅典(g) やちり(as/i-phone) 赤井香本(ds)  おおば(拡声器) 小松バラバラ(咆哮)

Session 2

・後藤博(g/vo) 長坂均(tp) 伊東典夫(ds) 赤井香本(pf)  小松バラバラ(咆哮) 

だったような気がするが、ちょっと記憶が曖昧。今年初出演の小松バラバラさんには、控えの間に潜んでもらって、好きなところで登場し咆哮してもらうことにした。(衣装が衣装だけに、登場シーンはセンセーショナルに)

その後、組原正(g) 鷲見雅生(b) Meg Mazaki(ds) 柳川(as)のカルテットで約30分。30分経過したら希望者は演奏に乱入して良いということで、トータルして50分ほど演奏した。

普段の涼しげな眼差しと柔和な物腰と打って変わり、組原さんは「凄まじさの美学」を体現する圧巻のギター演奏で、共演者もオーディエンスも魅了。一瞬一瞬に全知覚と意思を投入したかのような立ち上がりの鋭い音(しかもそれがよどみなく続く)が、阿修羅のごとくテイクゼロの室内は勿論、官公庁立ち並ぶ三栄町の空間をも支配する。容赦ないとはこのことだ。

鷲見さんは東京でも組原さんと演奏した経験もあることから、今回のメンバーに抜擢したのだが、低音域からのあおり運転が強烈だった。勿論それは悪質ではない。Megさんも組原さんとの共演を密かに狙っていた一人なので、演奏前にトンテキを食べたせいかスタミナ満点で爆裂。そのドラミングに、かつてこのフリージャズ忘年会のタイトルにもなったオーディエンスのウエノさんの瞳孔は開き、ついには人知れず感涙したという。

4人の演奏が約30分経過し、控えの間で奇抜な衣装に身を包んだままじっとしておれなかった小松バラバラさんが登場して絶叫を始め、小林さんがみじん切りのギターのカッティングで演奏を加速させ、やちりさんが異星人が降臨したかのようなi-phoneの音で空間を異化し、間髪狙って赤井さんが清廉なピアノでスピリチャルな世界に誘い、大庭さんが小松さんにちょっかいを出しながら異様さ満点でアジり出し、皆が疲れた頃に長坂さんが登場して朗々とトランペットで最終弁論を始める。

長い狂乱の演奏が無事止んでようやく静寂が戻ったとき、やっと終わったかと安堵したにちがいない数名のご婦人方をよそに、ウエノさんは感極まって雄たけびをあげた。

こうして、今年の四日市年末セッションは幕を閉じた。と、同時に2019年の自分の吹奏も終了した。

組原・柳川・鷲見・Meg

プレゼンテーション1