2020年1月11日(土) 名古屋今池『海月の詩』
・ナカタニタツヤ(per/ds) +河端一(gt) デュオ(ナカタニタツヤ・ジャパンツアー)
・NOUS<柳川芳命(as)+菊池行記(electronics) +小林雅典(gt)>
・Hyakuyoso (electronics)
初めてナカタニタツヤさんと会ったのは2003年12月、TOKUZOだった。イスラエルのサックス奏者アシーフさんとのデュオでツアーをされているときだった。TOKUZOはたいていPAを通して演奏するのがほとんどだったが、ナカタニさんとアシーフのデュオはストリート・ギグ精神でノー・マイクで演奏したのを憶えている。自分は故・もQさんとのアルトサックス・デュオで出演した。後で合同セッションをやったような記憶がある。そのときはなぜか客席に梅津和時さんがおられて(初対面だった)そのことにも緊張した。
河端さんとの初共演は、以前名古屋に住んでおられ本郷にあった『聖家族』という店をやっておられた頃に、ディスロケーションと一緒にやったときだった。97年8月のこと。その後2001年7月にも『KUKU』で共演している。メンバーを見るとKUKUマスター村上等さんと鈴木茂流さんとある。どんな演奏したかもう覚えていないが、きっといつ果てるともわからぬ長時間の演奏だったことだろう。
さて、この日の企画はHyakuyosoの高橋さんによるもので、昨年末の『Spazio Rita』でのイベントに引き続きお世話になった。トップバッターにHyakuyosoの演奏から始まったのだが、それまで流れていた店内のBGMから気付かないうちに演奏が移行していた。しかしながら店内の空気が明らかに変わった実感があった。途切れなく流れる電子音響はゆっくりと微妙に変容していき、20分を過ぎたころ長に眠りから覚めた奇矯な音が蠢き始めた。その音の蠢きは聴覚・皮膚感覚から聴く者をむしばみ始める。こういう演奏の展開のさせ方は、今までの自分の経験に無いものだったので新鮮だった。
我々NOUSは、昨年11月に引き続き2度目の海月の詩での演奏だった。ちょっとPAのトラブルで菊池さんの音が出にくくなってしまって、一時は小林さんとのデュオの場面になった。トラブルが解消されてからも菊池さんの音が思うような音量で出せず、苦渋の中で約30分演奏。まあこういうこともある。そういうトラブルから来る動揺が演奏に出てしまうな。まだ修行が足りません。小林さんは堂々と演奏を続けていたけど・・・。
トリは、ナカタニさんと河端さんのデュオ。このスピード感とパワーの持続には舌を巻いた。ナカタニさんのドラムセットはシンプルなものでラウドな音の出るものではないが、パワーが押し寄せてくる。よどみを感じさせないで音をつなげていく意識の流れが速く、一方の河端さんのギター演奏も疾走し続けて約60分間、圧巻であった。
19日には酒游舘でナカタニさんのパーカッション・ソロと、照内央晴さん、Meg Mazakiさんとのトリオと合同で演奏会を行うが、ソロではどんな展開をされるのか楽しみである。また、出演者4人でのセッションも予定しているが、それも楽しみである。