Review:MUK NOUS -1 @海月の詩

2020年2月13日(木) 名古屋・今池 海月の詩

・MUK <Take-Bow/g     Kei-K/as    Meg Mazaki/ds> from 京都

・NOUS-1 <小林雅典/g     柳川芳命/as >

京都で地道に活動をしている即興ユニットMUKの名古屋での初演である。メンバーそれぞれは個々に名古屋で演奏してきた経歴はあるが、3人そろっての演奏ははじめてだと思う。とりわけアルトサックスのKei-Kさんは、2000年以前にも栄のKUKUや今池祭りにも出演していて、当時を知る人にとっては、ああ、やっと名古屋にまた来てくれるようになったか、という感想だろう。その切り裂くような硬質のアルトサックスの音を聴くのを心待ちにしている人は多い。MUKのTake-BowさんやMegさんは、「海月の詩」をはじめ他の名古屋の店でも演奏しており、知名度も高くその演奏を楽しみにしている人も多い。

今回のMUKの初来名にあたって、対バンにNOUSに声がかかったが、エレクトロニクスの菊池行記さんは今回都合が合わず、残る小林雅典さんと自分とがデュオで<NOUS-1>ということで演奏させてもらった。

最初に、小林さんとのデュオで30分強全即興で演奏する。小林さんとはカルヴァドスの『地と図』の頃からの共演で、2014年には『四夷』(野道幸次・佐藤シゲル・小林雅典・坂田こうじ・柳川)という即興集団でも一緒にやってきた。以後も何度かセッションで顔を合わせ、昨年秋にはNOUSのメンバーとして共演を重ねている。その積み重ねもあって、お互いに余計な気配りや忖度をすることなく、自分を全面展開できる関係にある。この日も静的な場面から、スキッゾで超スピードの接近戦の場面まで、阿吽の呼吸で演奏できた(と思っている。小林さんはどうだっかは分からないけど・・)。何も約束事を決めなくても回を重ねて即興を積み重ねることは改めて有意義なことだと思った。

kobayana

次に出演したMUKも、同一メンバーで即興演奏を積み重ねてきたユニットである。今回MUKの演奏を生で聴くのは、昨年秋の京都ザックバラン以来の2度目だが、3人の底流にある演奏へのモチベーションというか志向性の絆が感じ取れる三重奏だった。単に音楽上・演奏上のつながりだけでない人間的な関りが基盤にあっての即興アンサンブルだと感じた。ある意味こういうユニットで演奏していくことができていることに羨望の気持ちもあった。3人で演奏することを心から楽しく感じているのだろう、そういう気持ちが伝わってきた。

MUK

来月3月19日には、同じくMUKとNOUS(次は菊地さんも参加してフルメンバーで出演)の2メンで、京都ザックバランで演奏する。これも楽しみである。

かつてカルヴァドスの『地と図』のシリーズでは、毎回共演者を変えて、一期一会的な即興セッションを7年ほど行ってきたが、そのシリーズを終えからは、ある程度固定したメンバーでのユニットで集団即興を継続し、その質を深めていきたいと思うようになった。かといってバンドというものにありがちな息苦しさに縛られたくない気持ちもある。個と集団の関係はバランスが大事だと思う。息苦しくなったら活動休止する、気楽に解散するという選択肢が保障されていることも重要かな・・・。学生の部活動やサークル活動ではないのだから。