Review : NOUS(柳川+菊池+小林)@なんや

2020年8月9日(日) 名古屋・御器所 なんや

・NOUS <菊池行記 electronics 小林雅典 el-guitar 柳川芳命 alto-saxophone>

2019年秋に名古屋納屋橋の特殊音楽バー「スキヴィアス」で行ったセッションを契機に、バンドとして活動を始め、「海月の詩」(名古屋今池 惜しまれつつ5月末に閉店)、「ZAC BARAN」(京都熊野神社)での出演を経て、今回がバンド結成後3回目のライブである。

「なんや」では初舞台なので、店主のPUYO(西川明男)さんに聴いてもらうのは初めてである。以下、PUYOさんのコメントをそのまま掲載。

なんや昨日のライブ NOUS [柳川芳命+菊池行記+小林雅典] 

小林君が微弱な音、細かい音と、大胆な音との振り幅が大きく、全体を引っ張っていたね。柳川さんは、自分のスタイルが確立していて、迷いが見えない。いろんな場面を美しく昇華させていく感じがした。菊池さんは、3つのセッションで、雰囲気を変えて背景を作っていった。この3人、いいぞ。アンコール(3つ目のセッション)、無理にやってもらったけど、良かった。後藤君が、自然に参加していた。

(※ 後藤君というのは、聴きに来てくれていたパフォーマンスの後藤宏光さんである。)

客観的に聴いてもらって、率直で肯定的なコメントをいただけるのはありがたいし、今後の励みになる。今回はこれまでのNOUSの演奏の中では、一番ハードな局面が出たと思う。その要因として、菊池さんの機材となんやのPAとの相性も良く、存分に菊地さんの本領が発揮されたことと、小林さんのギター(フライングV)が、京都のギタリストのTake-Bowさんのリペア+改造によって、音の立ち上がり、鋭角の度合いがシャープになって、ますますカッティングが鋭くなったせいもある。やはり音響面でストレスが無いと、思わぬエネルギーが湧いてパワーもスピードもリミットを超える瞬間が出てくる。ドラムレスのトリオなのだが、高速ビート感が心地良く、体が軽くなる瞬間が多々あった。。

1曲目は27分程、やや穏やかだが小林さんの着火にて暴発、アンビエントなパートもあった。休憩+換気後、2曲目は28分程、菊池さんの電子音が縦横無尽に動き回り、かなりヒートアップ。吹き休むことが許されないような気持になる。2ステージで終わろうかと思ったが、アンコールらしき雰囲気を受け止め、3曲目は約15分穏やかな演奏で終わる。カオスの去った後のユートピアといった感じ。

自分としては、ふたりの音に挑発されハッスルして吹いたが、録音を聴き返すとちょっと饒舌になり過ぎていた感じ。「ためる・じらす・言いかけて止める」この3か条は自戒の言葉なのだが、つい忘れてしまうなあ・・・。過ぎたるは及ばざるがごとし、である。

117342493_3398252350232341_7693853820222786878_o

写真はPUYOさんによる撮影。どうでもいいことだが、靴下を脱いで演奏をすると足が床に密着し、滑らなくて体が安定する。立って演奏する者は履物が大事だ、とかつて大先輩サックス奏者に言われたことがあるが、足元が安定していると呼吸も安定する(ような気がした。)

次のNOUSの演奏会は11月7日(土) 場所は同じく「なんや」です。