2020年9月5日(土) 京都・熊野神社 Zac Baran old new
・浅井一男(electronics) 森由紀(p,vo) かおりん(performance) 東くん(gt)
・柳川芳命(as) 哲太陽(el-b) Meg Mazaki(ds)
急遽、対バン出演とメンバー編成を浅井さんにお願いして出演してもらったユニット。勿論全即興で打ち合わせ無しの状態で約25分程先発でステージを務めてもらった。反応し合うというよりも、お互いの表現を大局的に受け入れて、自分の表現をそれに重ねていくというインタープレイ。集団即興において、メンバー個々が自分のアイデンティティーを貫くことは大切なことだと思う。それを気負うことなく自然体でやりこなしてしまうこの4人は、本当に自由人だと思った。
スペーシーな電子音響に乗せてときどき哲学的な問いかけをする朗読、巫女さんの衣装で抒情的なピアノを弾き、時々自分の過去を回想し告発するナレーション。淡々としたフレーズの破片を散りばめ、ときに歪んだ音で螺旋状のうねりを作るあげるギター。大胆な躍動から静的な佇ずまいまで、ダイナミックな身体表現を見せたパフォーマンス。視聴していて、こわばりが解けていくような魅力的な時空間を演出していた。

続く哲太陽さん、Megさん、柳川のトリオは、今回3回目。1回目は2年前の夏、名古屋「海月の詩」でのビッグイベント『時の回廊』でのセッション。2回目は2年前の年末、神戸ビッグアップルにて。以後、間隔が開いただけに今回は念願の共演だった。それぐらい過去2回の演奏には手ごたえがあった。
自分はサックスを始める前、高校生ぐらいからエレクトリックベースでロックをやっていたのだが、もし自分が今もベースを弾いて即興演奏のバンドに参加するとしたらこういう演奏をしたい、と思うことを哲太陽さんはやっている。そのサウンドといい演奏の指向といい、自分の好むベースの演奏をすべて実現してくれている感じがする。勿論、そんな演奏は自分には出来ないので、さながら哲太陽さんは代弁者のような存在である。
哲太陽さんとMegさんの音楽の指向(嗜好?)には、かなり共通項があるみたいで、とてもいいコンビネーションだと思う。なので30分弱のトリオ演奏の中で、3回ほど吹くのをやめて、しばらくベースとドラムスのデュオを聴き入っていた。「フォービズムの演奏」という感じで、自分も久々に後先考えず出せる限りのビッグトーンで押しの強い吹奏をした。爽快であった。
この3人の演奏、またやりたいと強く思う。神戸、近江八幡、岐阜と居住地が離れているのが難であるが・・・。

次回、この3人の演奏はすでに決まっていて、10月4日(日)大阪は天王寺のTHINS HALLで行われる以下のイベントに出ます。出番はだいたい17時。「調合次第で大爆発する劇物三重奏団」なり。

