Review : R-O-W project #2 有観客&配信ライブ@Valentinedrive

2020年9月18日(金) 名古屋・今池バレンタインドライブ

・野々山玲子(ds) 柳川芳命(as) 臼井康浩(el-g) 奥村俊彦(pf) 直江実樹(radio)

このラインナップは自宅多重録音リレー式の「R-O-W project」第2弾のメンバーである。(野々山、臼井、柳川の3人は第1弾のベーシックメンバー)多重録音でどんな音楽が出来上がるか、あらかじめ予想できてしまうメンバーにならないようにと、第2弾では、短波ラジオから引き出せる多種多様なサウンド~ノイズ、リアルタイムの番組の音を操る直江実樹さん、ポピュラーソングからフリーインプロビゼーションまでオールラウンドに演奏できる奥村俊彦さんをリレーメンバーに加えた。

当初、通常のライブを行う予定だったが、臼井さんの計らいで配信ライブも加えて実施できることになった。目の前のお客さんにプラスして、不特定の何人かがパソコンやスマホの画面の向こうでこの演奏をリアルタイムで視聴しているかと思うと、特別な緊張感が生まれる。

5人全員では演奏せず、デュオ、トリオ、カルテットの編成で5セットの演奏を行った。

1 柳川+直江+野々山 
いつでもアクセルを踏み込める状態で臨む。結果的にヒートアップは速かった。
2 奥村+臼井+野々山 
1st setとのコントラストとなるアンビエントな出だしで始まる。透明感ある楽音のピアノと非楽音のギターの混合が面白い。ドラムの細かなビートがその絡み合いに拍車をかける。
3 奥村+直江 
5人の中では対局の位置にある演奏指向の二人。その異なりから生まれる爆発は強烈。
4 柳川+臼井+直江 
スピードとキレの極限に挑むようなアンサンブル。ただただ爽快だった。
5 奥村+臼井+柳川+野々山 
楽器編成はオーソドックだが、そうならないようにする何かを4人とも隠し持って臨む。いつそれを出して即興演奏の常套句から脱却するか、その駆け引きが面白かった。

どのセットもいろいろな局面が出ていて、変化に富んだ演奏会だったと思う。奥村さん、直江さんは、オリジナルメンバーの3人と共通する音楽的嗜好を持ちつつも、簡単に混ざり合わないような異質さを持った存在であった。そのことが結果として刺激的な共演になったと思う。