2021年1月9日(土) 名古屋・御器所「なんや」
・マツダカズヒコ(g) 柳川芳命(as) 十三(ds) トタニハジメ(b)
当初は小松バラバラ、Edge Minami、トタニハジメのトリオ「びわこノイズサミット」と、マツダカズヒコ、柳川芳命、十三のトリオ「松柳十三の乱」の2本立てで行う予定だったが、諸事情で、びわこノイズサミットの小松さん、Edgeさんは名古屋に来れず、トタニさんだけの参加となった。ということで、両ユニットの枠を外し、4人でいろいろな編成で行うことにした。
マツダ、十三、柳川の組み合わせは、それぞれ互いにずいぶん前から知り合っていたにもかかわらず、3人そろっての演奏は一度もやったことがなかった。自分も十三さんとは、またやってみたいなあ、と思いつつ、なかなかスケジュールが合わず放置していた。マツダさんのギターと十三さんのドラムは、きっと相思相愛の仲になるに違いないという確信があったが、今までこの組み合わせを思いつかなかったのが不思議である。誠に迂闊であった。
ようやく実現にこぎつけたわけだが、聞けば十三さんはまもなく名古屋を離れ、九州に転居するとのこと。これが最初で最後のセッションになるのか・・・、と残念極まりなかった。もっと早くこの編成を思い付き、決行していればよかった。ただ、十三さんの話では、名古屋には今後もたまに戻ってきてくれるそうなので、これを機に、十三さんにとは懇意にしてもらおうと思う。
1 トタニ+マツダ+柳川
2 マツダ+トタニ+十三
3 十三+トタニ+柳川
4 マツダ+柳川+十三
5 4人全員
というメニューで実施。コロナ感染防止ため、なんやも21時には閉店になるので、18時半から始める。
結果として、2021年第一弾の演奏会として、非常に達成感ある演奏が出来た。1ではマツダさん、トタニさんの終盤でデュオになったあたりのアンビエントでスペーシーな音世界は出色の出来。2のトリオも、初対面と思えぬもう円熟したプログレッシブロックのバンドではないかと思えるほどのコンビネーションであった。3は一転してフリージャズ風のアプローチになるが、十三さんのドラミングは細かくて速い。ここぞというときに入るオカズというのであろうか、よく知らないが、アクセントをつけるところがドライブ感を与える。そこにトタニさんの(以前にも評したが)軟体動物のようにうねるフレットレスベースが絡みつき、やたら気持ちよいサウンドの激流になる。
4,5は予想通りの出来で、ときどき定型ビートが出るとみんながそれに乗っかっていくなど、一体感がある全即興アンサンブルだった。
十三さんとは来月にはもう遠距離恋愛関係になるが、また共演できるのを楽しみにしている。
