2021年2月26日(金) 名古屋・御器所 なんや
・さがゆき(voice) 加藤雅史(contrabass) 柳川芳命(as)
さがゆきさんのパフォーマンスを体験したのは、2016年の8月に鶴舞のK.D.Japonで行われた名古屋界隈の即興演奏者やダンサーがたくさん集まったイベントだった。さがさんがいろいろなメンバーの組み合わせの中で出演されたステージのもようは鮮明に記憶に焼き付いている。何セットかにボイスで出演されたが、そのどれもが変化に富んでいて、何という引き出しの多さだろう、と思った。
今回の愛知県へのミニツアーの一環で共演できることになり、豊潤で重厚なコントラバス奏者の加藤雅史さんにも共演をお願いした。きっとこの3人なら凄い展開になるという確信があった。加藤さんはさがさんとは初めての共演だが、百戦錬磨のお二人ならどんな状況にあっても奇跡的な絡みが生まれるだろうと思った。予想的中であった。
私の好きにステージングしていい、というお二人からの言葉で、前半はデュオ3通り、後半はトリオで、というメニューにした。

加藤さんとの久しぶりのデュオ。今までも何度か共演してきたが、今回はがっぷり四つに組んで、相手の出方を敏感に感じ取りながら「二人の音楽」を創り上げたという実感があった。

ほんの数時間前に出会ったばかりとは思えないさがさんと加藤さんのデュオ。互いに共通言語をいち早く察知する恐るべき耳の持ち主なのだろう。

念願だったさがさんとのデュオ。声帯とサックスから引き出せる限りの多彩な声のタペストリー、といったところかな。

セカンドステージのトリオ。それぞれが3人の音楽をリードし、フォローしていく。次に出そうとする音が無尽蔵に湧いてくる、といった感じだった。
それぞれのセットについて、的確な言葉で言い表すことが難しく、語り得ぬものがあるので、ここはひとつウィトゲンシュタイン先生に習って、沈黙することにして、店主のPUYOさんのコメントを引用させていたきたい。
前半は、DUO3通り。加藤さんのフリーインプロの幅が広がっていて驚いた。(失礼)いろんなパターンのフレーズが出たり、ミニマルな繰り返しだったり、変則奏法だったり、が繰り出された。とってもいい感じで、全体の演奏が広々とした。柳川さんは、やさしい音色で攻めた。調和があった。さがさんとでは、出だしが強烈だった。声とアルトサックスの近い音域での張り合いが刺激的で、そこから様々に展開していった。出だしがいいと後の展開って、流れるように出てきて、うまくいくことが多いと私は思っている。後半は、TRIOで。みなさまの展開力が豊富で、うっとり。(PUYO)
ありがとうございました。いつも励みになるコメントありがとうございます。
写真撮影:客席王千葉さん、PUYOさん、柳川