2021年7月18日(日) 岐阜・神田町 洋食屋パノニカ
・FISSION 武藤祐志(gt)ー木全摩子(ds)
・蠍座二人組 柳川芳命(as)ー木全摩子(ds)
・VALE TUDO 武藤祐志(gt)ー大森菜々(pf)
3組のデュオユニットの合同かつ交配的な演奏会。岐阜県はコロナ感染のまん延防止措置も終わり、定時の19時30分に開演。閉店の22時までゆとりをもって2ステージ演奏できた。久しぶりのことである。
前半に、上記のそれぞれのデュオを3組。後半は、異なる組み合わせのデュオをやって、最後に4人合同で演奏する、という流れで行った。前半のデュオは、それぞれ創り上げてきたスタイルがストレートに、かつ圧縮されて(時間的に10~15分の枠だったこともある)表出され、聴きごたえがあり、整然とした感じでスッキリしたエンディングで気持ち良かった。
後半は、前半にはない持ち味が、それぞれのプレーヤーから滲み出ていて、各自の音楽的なバックグランドに触れる良い機会だった。大森さんと木全さんのピアノとドラムによる、たたみかけるような小気味よいインタープレイ。大森さんと柳川のピアノとサックスは、抒情性のなかにしっとり歌い上げる感じ。武藤さんと柳川のギターとサックスでは、中盤からフォービズム的なラフファイトの絡み合い。とても面白かった。
最後、やや蛇足的だったかもしれないがカルテットでやってみる。最後は全員でやるというのは、ライブでよくある展開だが、フリー即興の場合、カオスのような音の洪水に、何をやっているのか分からなくなる、という失態がよくある。なので、こういう締めくくり方が決していいとは限らない。おそらく4人ともそういう意識があったのだろう。4つの音に隙間を作りつつ整然と演奏がスタートする。徐々にクライマックスへ移行し、ピークの後にクールダウン、一瞬の沈黙、また新たな展開へ・・・こんなストーリー性のある展開をまったく事前に打ち合わせることなく出来てしまうのは、それぞれが「即興道」の中で会得してきたものがあるからだろう。クールに自分の即興を制御できる感性と技がある、と思った。


写真はかおりん、知立から遠路バイクで駆けつけてくれてありがとう。