Report 真夏の夜の電撃咆哮@なんや

2021年8月12日(木) 名古屋 御器所 なんや

・小松バラバラ(咆哮) 武藤宏之(electronics電撃) Meg Mazaki(drums) 柳川芳命(alto-sax)

3年半前に、このメンバーで会場同じく「なんや」で演奏した。4人とも加齢に伴って体力・精神力が低下したかと思いきや、ますます御盛んで容赦ない音の放射だった。ここまで抑制を外してプレイできるメンバーだと、限界を超える瞬間に「もう今夜死んでもいい」というような陶酔感が味わえる。かつてこのブロクに、「圧倒的なスピードとパワーには、若者を陶酔させる魔力がある」というようなことを書いたが、中高年になってもそれは変わらない。ただし、聴衆をほったらかして、演者が日常の憂さを晴らすかのようなパフォーマンスはいけません。暴走する中高年であっても、冷静に自分たちのやっていることを見つめられる感性はちゃんと持ち合わせている。(と言い切りたい。)その証拠に、「時短営業期間なので、30分ずつ2ステージでやろう」という申し合わせに対し、1セット目30:04、2セット目30:47であったことが、録音のデータでわかった。勿論、誰も時計を見て演奏したわけではない。

また、曲中何度かあったクライマックスの収束後、あたりの空気を一掃するかのような場面転換が誰からともなく図られていたように思う。構成を意識してのことだと思う。

■なんやの店主のPUYOさんの感想を転記。

新しいものは、手に入れると嬉しい。眼鏡だったり、靴だったり、新品になると気持ちよい。楽器はでも手塩にかけてしかも一緒に育ってきたものだから、古いものがいい。いろんなことがわかっているし、そこからはいろんな音が出るし。新しい楽器も、でもやっぱりいいけどね。新しいマウスピースで臨んだ柳川さん、この日のための派手な音用にセッティング。キラキラしていたね。Megさんとの黄金コンビ。阿吽の呼吸に満ちているね。ここに、バラバラ君の笑えるくらいの気力と、暴力的ともいえる思いの武藤くんが加わって、新しいものが増えて、この日の演奏。互いに、敵に背中は取らせない演奏だった。

いつも励みになります。ありがとうございました。

■また、日頃から最前線のジャズをリサーチされ、この日もソーシャルディスタンスなどどこ吹く風、とばかりに至近距離で聴いて下さったリスナーの堀川務さんの感想を転記。

柳川さんのサックスの音から始まったフリーフォームインプロビゼーション先日、近江八幡サイケデリックスペース酒遊館でのライブ以来の再会ですパフォマーだったかおりんは聞き手、聞き手だった小松バラバラさんはパフォマーと入れ替わりましたが武藤さんのelectronics 凄まじいパワー全開で圧倒されました。僕は、なんやでのMegさんは8年ほど前の和田直さんガイさんの異種格闘技戦以来でしたがあの時の腕を伸ばしてのシンバル打とミュートで終わったあの時の記憶が蘇りました。4人の方素晴らしい真夏の夜のサティスファクションをありがとうございます。

あたたかい激励、ありがとうございます。

写真撮影はPUYOさん。