2021年9月19日(日) 名古屋・御器所 なんや
・後藤宏光 performance/三線
・月姫うさぎ performance/大正琴
・KAORU 琵琶
・吉田崇 percussion/synthesizer 柳川芳命 alto-sax
身体表現のパフォーマンスと即興音楽のコラボレーションは、名古屋シーンでは特に珍しいことではなく、自分が活動を始めた80年代から脈々と実践されてきた。しかし、今池の「海月の詩」(すでに閉店)という浅井一男さんの店が出来てから、新しい顔ぶれのパフォーマーがこの店に集結し始め、名古屋では面白いシーンが復活した。後藤宏光さん、月姫うさぎさん、KAORU(かおりん)さんの他にも、タナカえんさん、サイン加藤さんなど、注目すべきパフォーマーが今活躍している。(他にもいると思うけど、御免なさい。自分が共演した人に限っての話です。)
今回の出演メンバーは、当初富山市の野外即興フェスに参加する予定だった。が、残念ならがコロナ禍の緊急事態宣言・まん延防止措置などで、フェスが見送られたために、この日が暇になった者たちである。富山のフェスには大阪、神戸、滋賀の出演予定者もいたが、名古屋が緊急事態宣言中なので、遠方からの方を除き、東海三県で出演可能な人に出演依頼をした。
結果、パフォーマンスをメインとする人3人(後藤・うさぎ・KAORU)、演奏をメインとする人2人(吉田・柳川)という出演者になった為、パフォーマーをメインにしたステージ構成にしようと思った。当日、三線(後藤)、大正琴(うさぎ)、琵琶(KAORU)を持参して集まったパフォーマーは、ビジュアル面だけでなくサウンド面でも吉田・柳川の演奏に色を添えてくれた。それぞれの邦楽器との共演も、とても面白いものになった。
当日のプログラムは以下の写真の通り、20時閉店の為、早めの17時に開演したら時間が余ったので、最後は全員参加のセットで締めくくった。


★なんやの店主PUYOさんの感想
演奏の柳川さんと吉田さんが固定して、その上で3人のパフォーマーが一人ずつやる、という3部構成。後藤君は、いろんなことを気負いなく、なんだか自然に見せてくれる日常性のゆったりとしたライブだった。あんな日常はないんだけれどね。日常の要素がね、あった。月姫さんは、美しく構成されていた。しっかりと決まってくる好演。ビシッとしていた。なんや初のKaoru君は、なんと琵琶の演奏だけで踊りは無し。演奏だけでのライブは自身初とのこと。琵琶の音はとてもよくて、独特の感覚を呼び覚ます。琵琶とサックスが全く逆の方向を向いている感じがした。吉田さんがその間を埋める。そんな演奏。音部門の二人は、パフォーマーとの絡み交換具合が、素晴らしかった。最後は、全員で。
★出演者のKAORUさんより
厳しい世情と台風などお足もとが悪い中、たくさんのお客様がご来場くださいました感謝感激でございますっ
柳川さんの提案でパフォーマー1人×演奏家2人のTrio構成で、パフォーマーを交代して3部やるということになりました
3人のパフォーマーは打合せをしたかのように皆楽器を持参しており、演奏を交えたパフォーマンスになりました
後藤さん、うさぎちゃんは熱の入ったパフォーマンスでお客様をガッツリ引き込んでいました
かおりんは初の琵琶パフォーマンス!技術はまだまだですが様々な表現を駆使し超絶楽しくやらせていただきました
柳川さん、吉田さんは出ずっぱりのタフなLIVEだったと思いますが、奏法はもちろん場面転換や場の読み方がさすがで、なんや2階のお客様、演者全てを魅了しまくっていました
ラストに追加で全員でセッションし、めちゃめちゃ楽しかったです
そして1部終わるごとに拍手喝采で盛り上げてくださったお客様のおかげでたいへん楽しい夜になりました
楽しい企画をしてくださった柳川さんありがとうございました
出演者の皆さんお疲れ様&ありがとうございました
「なんや」店主ぷよさん、スタッフ蘭ちゃんありがとうございましたっ
最後に重ねましてご来場してくださったお客様の皆さま、本当にありがとうございましたーっ
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3人とも、畳1~2畳ぐらい限られたスペースの中で自分の世界を創り上げるのはさすが!日常行為とアートとエンターテイメントのボーダーを取り払って、新しい試みで観客を惹きつける後藤さん。優雅で華やかなバリ舞踏をベースに、電気大正琴を楽器というより独創的な音具としてパフォーマンスの一部として扱ううさぎさん。日頃は躍動する身体のダイナミズムで魅了しているが、この日は琵琶(電気で増幅)の演奏に専念して、幽玄な音響空間を創り出したKAORUさん。三者三様の世界を堪能した。
それにしても吉田崇さんは、ジャンベとシンバル、シンセサイザーに時々ボイスというシンプルなアイテムで、本当に自由にしなやかな即興演奏をやるなあ・・・。表現にこわばりが無いところがいい。
<写真は、中嶋貴士さんとなんやのPUYOさんから拝借しました。ありがとうございました。>