Report:此の三人/浅野和恵@アニーズカフェ

2022年2月11日(祝・金) 京都伏見 アニーズカフェ

・浅野和恵 hand-made instruments, effectors

・此の三人 <柳川芳命(as) マツダカズヒコ(gt) 近坂祐吾(ds)>

本来は「此の四人」というユニットなのであるが、ベースの鷲見雅生さんが欠席のため暫定的な「此の三人」という名前で演奏することになった。「此の四人」は2018年の夏にデュオユニット「長谷川静男」と共演して以来、3年半ほどやっていない。このところマツダさんと自分は結構共演をしているし、マツダさんと近坂さんは直江実樹さんとのトリオNÖMで活動しているので、近坂ー柳川ラインがこのところ疎遠だっただけである。近坂さんのドラムは、スムースに流れるとか、俗にいうドライブ感、グルーブ感、スピード感とはちがうタイム感覚のドラミングでアプローチをしてくるので面白い。マツダさんと近坂さんとのコンビネーションは阿吽の呼吸といった感じである。今回はベーシストがいなくてトリオだったので、カルテットでやるときよりも関係はシンプルで、自分以外の二人のやっていることが明確に把握できた気がする。一気に集中力が持続した30分の演奏になる。

我々のステージの前に、浅野和恵さんのソロが30分程行われた。電子音響のエフェクターの操作だけでなく、ボウイングやカリンバのピッキング、鍵盤ハーモニカの吹奏などのフィジカルな演奏も織り交ぜながらのサウンドパフォーマンスであった。昨年夏にはデュオもやらせてもらったが、以来システムの改良などでサウンドのパワーがアップした感じだった。即興的な要素は勿論あるが構成美を感じる約30分の演奏は、音のドラマを観るようだった。(浅野さん、的外れなことを書いていたらすみません。)

最後、20分弱の交流セッションを行う。初めのほうは、いろいろなサウンドが飛び出すマツダさんのギターと浅野さんの音との識別がつかない場面もあったが、中盤からそのサウンドの違いが明確にわかるようになってきて、浅野さん、マツダさん、近坂さんのそれぞれが出している音に、迷い箸のように物色しては絡む、という関わり方になった。いい交流が出来た。

Kazue Asano
Kazuhiko Matsuda
Yugo Kissaka
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