Report:ガイ+柳川芳命+野々山玲子/踝打舞+蛯原幹生@なんや

2022年2月26日(土) 名古屋 御器所 なんや

・ガイ(g)+柳川芳命(as)+野々山玲子(ds) 「胸焼けペペロンチーノ」

・空港図<踝打舞(g)+蛯原幹生(ds)>

ガイさんが近年やっているパスタ名の付いたセッションが2週にわたって開催。今回「胸焼けペペロンチーノ」、次回「おかわりカルボナーラ」。各回にゲストプレーヤーが参加。

今回は大阪からの「空港図」と「胸ぺ」のトリオとの2本立て。ついでに交流セッションも行うとい企画だった。

「空港図」の踝打舞(くるぶしだぶ)さんは、演奏スタイルによって「ちあきひこ」に名前が変わるのだが、ギター演奏には変わりない。昨年京都のアニーズカフェで共演したときはちあきひこだったが、エレクトリックギターのトーン、特にボトルネックを使った演奏に透明感があって、詩的で抒情的な演奏だった。今回はアンビエントからハードでアグレッシブなプレイまで多彩な奏法が次々繰り出されて、惹きつけられっぱなしであった。蛯原さんのドラムは、徐々に熱を帯びてくると激流渦巻くといった感じのグルーブ感がとても気持ち良い。名古屋ではまだ知名度が低いかもしれないが、注目すべき大阪のユニットとして、名古屋にも時々来て欲しいものである。

続いて、ガイさん、野々山さんとのトリオ。ガイさんとは82年頃から、<サウンドインプロビゼーション(イトウカズヒトvl+竹内梓vl+高木英臣b+ガイg+柳川as)>、<ガイバンド(メンバー流動的)>、<シルバーシート(デュオ)>、<クロマニヨン(ガイ+柳川+ニワオサムvo+ヒグチシゲキb+シママサヒコds><ガイユニット(メンバー流動的)>、そして第二期の<ディスロケーション(岡崎豊廣elec.+ガイg+モリキミホds+柳川as)>に至るまで、40年にわたる付き合いである。が、一緒にやっていて演奏が煮詰まらない(パターン化しない)のは、調和を意識せず、それぞれ好き勝手にやっているからかもしれないな。しかし、相手の音を聴いてないようで聴いているのがガイさんの不思議なところで、なぜかエンディングはうまく「そろう」のである。

ガイさんの「パスタシリーズ」でドラマーとして、野々山さんが関わってからもう数年になる。この日は、ギターやサックスのサポートという立場にとどまらないで、切り込んできたり後押ししてきたりする場面がいくつかあって、トリオ演奏の流れを制御していった感じがする。

この後、交配メンバーで2セット演奏。

・<ガイ+踝+野々山> 二人のギターの対置の仕方が変化に富んでいて面白かった。後ろで野々山さんのドラムがうまく調停に入っていた感じ。

・<空港図+柳川> 空港図の創り出すフリーフォームのグルーブ感が凄く、久々にしつこいほど狂おしくやり切って、カタルシスを味わえた感があった。

このパスタシリーズの第二弾は、3月5日(土)同じくなんやにて開催される。こちらも過激な夜になりそうなメンバーである。乞うご期待。

写真は、堀川さん、千葉さん、PUYOさんの撮影したものより拝借しました。ありがとうございました。