Report :フリーフォームジャム@パノニカ#5

2022年4月9日(土) 岐阜市神田町 洋食屋パノニカ

 今回は、感染防止のための時短営業の影響なく、18時から21時まで3時間の枠がとれたので、各自2回出演、全9セットで各セット上限15分というフレームで行う。ホストの摩子さんと自分を含めて、ドラムス4,ギター4,キーボード1,エレクトロニクス1,サックス2,ベース3、身体表現2,という大所帯でのジャムセッションであった。これまでは、上限10分の時間設定にしていたので、なかなか終わり切れず、「終わりですよ」の合図の拍手をして終わってもらったのだが、15分の枠にしたところ、自発的にエンディングに持ち込み、時間内に終わるセットがほとんどだった。これは望ましいことだと思った。外発的な終了指示によって終えるのは、やはり不自然であろう。

 とりあえず写真を掲載して、各セットの組み合わせを振り返ってみることにする。写真の提供元は、お馴染み中嶋貴士さん、参加者の後藤博さん、Kaoruさん。いつもありがとうございます。

 定型ビートのロック風インプロビゼーション、怒涛のフリージャズ、サディスティックな電子音響・ノイズミュージック・・・・ジャンルに分けて解説することが不毛に思えるような多彩さが花開いたセッションだった。どんな表現をする共演者とも向き合い、相互にアプローチして関係を築いていくことの面白さは、自分の感性や判断を鍛えていく修行のような場でもあると思う。自分は猫とだって共演できる即興表現者でありたいと個人的に思ってるが、そういう企画をしてくれる人がいないのが残念である。

 各演者の音楽性のバックボーンやアプローチの仕方、フリーフォームとか即興に対する考え方はそれぞれであるが、共通している点といえば(他者から指示されたことをやるのではなく)全て表現者の自発性に基づいた即興であることぐらいか・・・。

 ところで・・・・

 「今、共演者にどんなモーションをかけようか、その結果期待するレスポンスが得られたらどうするのか、得られなければどうするのか・・・・。」

 「今は共演者の表現に自分を合わせるのが良いか、反発、あるいは無視したほうが良いか・・・・・。」「今は演奏のイニシアティブを誰かに譲るのが良いのか、共演者を振り切って独走するのが良いのか・・・・。」

 「ステレオタイプ化した自分のやり方(手癖)に陥らないよう、something newを模索しながらも、ついつい自分の「決め技」を繰り出してしまう。そんな自分でよいのか・・・・。」

 即興演奏をやっているとき、このようにいろんなことが自分の頭の中をめぐっているのだが、皆さんはどうなのだろう? まあ、いちいち考えていたら演奏が進まないので、自分の中で起きる「反射の連続」に身を委ねてしまうのだが・・・・。