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Review:Alto Summit with 川島誠

アルトサックス3人で即興演奏をするこのシリーズの3回目。埼玉から川島誠さんを招いて、PUYO(西川明男)さんと挙行。川島さんのソロをメニューに入れて、3通りの組み合わせのデュオとトリオを行う。昔、もQさん(2005年逝去)とアルトサックスデュオをやっていたとき、彼が「僕は柳川さんが今演奏していることの正反対のことをやるようにしている」と言っていた。それが結果的に立体感のあるデュオになっていたのだと思う。立体感があるということは、奥行きが感じられるということで、平面的にならないようにするということである。ふたりが同じようなことをやっていては、ベタ塗りの平面的な演奏になってしまう。

そんなことを思い出しながら、川島さんやPUYOさんとデュオを行った。陰に回ったり表に躍り出たり、加速したり遅速したり、多弁になったり寡黙になったり、同調したり無視したり、・・・・同じ楽器同士のデュオでもやり方によって色彩豊かで奥行きのある音楽になる。そんなことを味わえた演奏会だった。それにしても川島さんもPUYOさんも恐るべきエナジーと集中力を放っていたな。でも3人ともオトナなので協調性は高かった。

Alto Summit

ちなみに、2005年にリリースした、もQさんとのデュオ「GRIND THE AIR」(CD)在庫豊富なり。¥2,000

 

 

 

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CD”Heal Rougly Alive” 7月11日リリース。

昨年来、少量・頻発・手作業・直接販売という方針で音源のリリースしていますが、7月11日にHeal Roughly (Yanagawa-Meg duo シリーズ)の酒游舘でのライブを限定枚数で出します。5月19日録音。トータル31分。CD-R、紙ジャケット(ハンドメイド)¥1,000(税込)ライブ会場での販売か郵送で。

’Heal Roughly’ is the 2nd phase of Yanagawa-Meg duo series.
This album contains the gig at Shu-Yu-Kan(酒游館),
a sake brewery which marked its 300th anniversary in 2017.
The solemn acoustic of this place inspired us a lot.
‘We’ll heal you in a rough and fierce way!’

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Review:怪談と即興音楽の夜@酒游館

6月17日の「海月の詩」初演に続く第2回目。前回は翌朝に大阪を中心に大地震が起こった。今回は避難指示の出るほどの豪雨の日となった。災害をもたらすイベントか?このシリーズあと2回あるが、それで検証される。

今回は、小泉八雲の「葬られた秘密」「破られた約束」「因果話」の3話を、それぞれ登場人物が回想(懺悔)する形で、連続性のある一つの話に平松千恵子さんが編集し、それを前半の演目とした。休憩後、後半のステージでは、平松さんのみによる「袈裟と盛遠 文覚発心譚」の語りと、Meg+柳川のみの即興演奏を行った。即興演奏であるがゆえに、当然のごとく「袈裟と盛遠」の話からインスパイアされた演奏になる。

聴衆の方々の集中力、緊張感が演者にも伝わり、それが表現にフィードバックする。相互作用により、さらなるテンションの高みへとその場に居合わせた者たち全てが導かれる。酒游館の音響や照明、酒蔵の気配、すべての点で素晴らしい状況であった。

出来栄えについては個々に反省し、7月18日、TOKUZO(名古屋今池)での第3回目の公演に備えることにする。(ちなみに最終回(4回目)は、8月29日(水)京都のパーカーハウスロールにて。)

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Review:Impro×Groove 002

ドラマ―野々山玲子さん企画の即興セッションのイベント。今回第2回目。主賓としてドラマ―小宮勝昭さんを招いてのセッションの予定が、ご本人のご事情によりやむなく今回は参加見送りとなった。4つのセットで進行した。打楽器奏者5人、ベーシスト2人、ギタリスト2人、管楽器奏者1人、ダンサー1人という人選も、ドラマ―による企画ならではだろうか・・。

1st set :佐藤シゲル(el-b) 野々山玲子(ds) 野口UFO義徳(perc)

2nd set:臼井康浩(el-g) 鈴木茂流(el-b) 近坂祐吾(ds/sampler) 十三(ds/electronics)

3rd set :松田和彦(el-g) 丸市(ds) 柳川芳命(a-sax)

4th set :伊藤晴美(dance)+all members

どの人も即興セッションは手慣れたもので、旧知の間柄なので、集団即興演奏に対する協調性が備わっていて、どこで自分が前に出、どこで背景に回るか、といった駆け引きをわきまえている、という印象だった。(みんないい人ばっかりだもんな)そういう中で、演奏がこじんまりとまとまってしまうのではないか?というと、結構規格外の音で均衡を破る場面もあり、それに対して<同調する><反発する><無視する>といった自由なスタンスでそれぞれが関わっている点が面白かった。

最後にダンサー伊藤晴美さんと全員で20分弱のセッションを行った。(演奏者の)10人によるまったくシナリオもルールもない集団即興演奏が成り立つのか?という事前の疑問に対し、それぞれの協調性というか寛容性、自発性によってその課題は解決できる、ということが証明されたように思う。ただし、そこには音のカオスになってしまわないように、という自制が(少なくとも自分には)働いていたからかもしれない。・・・・・これはプレーヤー側から感触であり、オーディエンスの側からはどうだったろうか?そのあたりはご来場いただいた(耳の肥えた)お客さんい聞いてみたいものである。乱闘場面を見ないと物足りない、という人もいるかもしれないなあ・・・。

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Review:MRM trioとの京都・名古屋・岐阜

Maresuke (contrabass)さんの招へいによるイタリアのRoberto Ottaviano(ss)さん、Marcello Magliocchi(ds)さんのトリオ(MRM trio)の2週間にわたる日本ツアーの終盤、京都・名古屋・岐阜の演奏会に対バンとして同行した。

6月26日:Zac Baran (京都)伊藤誠(ts)+一談(ds)+柳川芳命(as)の初顔合わせトリオ

6月27日:なんや(名古屋)muk<Kei-K(as)+Take-Bow(g)+Meg(ds)>+柳川芳命(as)

6月29日:M’s Live Hall(岐阜)ysm<柳川芳命(as)+鷲見雅生(b)+木全摩子(ds)>

MRMの3人は、安定感ある熟練した技量と自由な精神を基盤に、多彩なカラーを描き出すインプロビゼーションを行った。演奏中の3人の関係に注目してみると、「守」「破」「離」の関係が変幻自在に展開していき、約30~40分間にわたる即興演奏中、終始聴衆を惹きつける魅力をもっていた。演奏者としてどんな心理状態で即興に臨むか、という観点でこの3人を見ると、そこには純粋で邪念がなく、ただひたすら美しい音楽、力強い音楽、優しい音楽・・・を求めている真摯な姿勢が伝わってきた。

それぞれの会場で、最後に対バンメンバーとの交流セッションをやってみて、改めてMRMの3人の受容的・協調的な面に触れることができた。他者の演奏を受け入れながらも、自分の味をブレンドして、即興演奏の展開にイニシアティブをとっていくのが見事だった。

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Review:中島直樹+柳川芳命@Joke

9年ぶりの梅田のRecord Bar Jokeでの出演。9年前のチラシがそのままドアの内側に貼られたままだったのがうれしい。共演の中島直樹(コントラバス)さんのガット弦を張った年季の入ったコントラバスは、彼の音色へのこだわりを物語っている。過去に名古屋の「カルヴァドス」でのシリーズ『地と図』で数回共演してきたが、水入らずのデュオは初めて。俗な言い方をすればフィーリングが合うと言うのだろうか、彼との演奏はいつも間違いがない。完全即興でも「音楽」として仕上がるのである。ダークで重厚で抒情的な彼のコントラバスの音は、いろいろなイマジネーションを掻き立ててくれる。

この夜の約30分の演奏2セット、自分としては丁寧に「音で描いた」という印象である。激しく攻撃的でアヴァンギャルドなやり方は、我々ふたりにとって、とうの昔に卒業している。聴きに来てくれたMeg Mazaki(ds)さんが、「深淵を覗くような演奏」と評してくれた。まさに暗闇の中を夢遊病者のように彷徨し、内省するかのような音風景だったかもしれない。ジョルジュ・ルオーのモノクロ銅版画の人物像が思い浮かんできた。

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店のドアに貼ってあった9年前のチラシ。

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Review:怪談と即興音楽@海月の詩

中学生の頃聴いたキングクリムゾンの「Island」の出だしのコントラバス弓弾き、アルバートアイラーの「Mothers」だったか「Children」だったか(どちらか忘れた)の出だしのテナーサックス。(まだ他にもいっぱいあるだろうけど今思い出せるのはその2つ。)恐怖心をかきたてる音だった。

人は、どんな音に恐怖を感じるのか?どんな音が緊張から弛緩に導くのか?

そんなことを考えながらやてみた「怪談と即興音楽」の初演だった。次回は7月7日近江八幡の「サケデリックスペース酒游舘」でさらに練り上げてみよう。

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